沖縄県警サイバー犯罪対策課など9県警合同捜査本部が、被害総額9300万円に上る犯行組織のトップを逮捕した。うち8千万円を県内の「出し子」が引き出していた。県警によると、県内を舞台にした不正アクセス禁止法違反容疑による、巨額詐欺事件の首謀者逮捕は県内初とみられる。
県警は2020年7月からサイバー犯罪対策課や組織犯罪対策課を中心に合同捜査本部を立ち上げるなど、1年以上をかけて慎重な捜査を積み重ねた。一連の事件に関連して、書類送検を含む摘発人員は29人となった。6月29日の県内2グループ摘発の発表段階では被害総額が5千万円以上だったが、今回の組織トップ3人の逮捕で総額は9300万円に膨れあがった。
「スミッシング」と呼ばれる、大手メガバンクを装ったSMSなどを使う巧妙な犯行であることから、県警は海外サーバーなどを駆使した犯行との見方を示す。
県警は県内の出し子が引き出した現金が、指示役を通して組織トップ3人に流れていたとみており、県内外の暴力団組織の資金源となっていた可能性を視野に捜査を進めている。