コロナ禍の火葬情報共有で、開邦工業の玉寄社長に全国表彰


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コロナ禍の火葬対応調査などが評価され全国表彰を受けた開邦工業の玉寄将社長(中央)、斎場支援課の島袋光可課長補佐(右)、経営企画室の浅野和宏室長=22日、那覇市の琉球新報社

 焼却炉メーカーの開邦工業(うるま市)の玉寄将社長がこのほど、第65回生活と環境全国大会(日本環境衛生センター主催)で2021年度の生活環境改善功労者として、県環境部の松田了部長とともに表彰された。新型コロナウイルス感染症による遺体を火葬する際の対応について、全国調査をして情報共有したことなどが評価された。

 同社は焼却炉や上下水道の機械メーカーとして製造や設置をするほか、機械の運転管理、火葬場では遺体の受け入れや遺族対応なども行う。火葬場は以前から施設間で情報交換の機会が乏しく、コロナ禍では職員の感染予防や遺族の人数制限など困惑することが多かったという。

 玉寄社長は、全国の火葬業従事者が集まる日本火葬技術管理士会(神奈川県)の副会長を務めている。会でコロナ関連死の火葬に関するアンケートを行い、回答者の8割がコロナ関連死の火葬経験があるが、ひつぎの受け入れ時や火葬中の防護服着用について施設によってばらつきがあることなどが明らかになった。

 感染リスクへの強い不安感を示す回答もあり「火葬に特化したガイドラインが必要だ」とまとめた。

 玉寄社長は「表に出ることが少ない業種だけに、評価してもらえてうれしい」と受賞を喜ぶ。「地域の機械運転者の困りごとを解消し、必要不可欠なインフラとして地域のニーズに寄り添っていく」と話した。