「米文書の収集、道半ば」県公文書館の仲本さんがノウハウ紹介


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米国国立公文書館での資料収集についての学習会=20日、糸満市の県平和祈念資料館

 県平和祈念資料館友の会の学習会が20日、糸満市の県平和祈念資料館で開かれた。県文化振興会公文書管理課資料公開班の仲本和彦班長が「米国における沖縄戦関連資料について」をテーマに講演した。米国国立公文書館での資料収集のノウハウや、県公文書館の収集資料を使った最新の沖縄戦研究について説明した。

 仲本さんは県公文書館の一員として1997年~2006年まで、米国国立公文書館を拠点に沖縄戦と米国の沖縄統治に関する資料の調査収集に取り組んだ。

 公文書館の資料の分類は「沖縄」といったテーマごとではなく、組織ごとで行われている。このため収集は、沖縄に関係していた組織が作成した膨大な資料から、拾い上げていく方法で地道に行ったという。

 仲本さんは、米国に残る未発掘の資料や写真の調査収集について「まだ道半ばだ。われわれのノウハウを次の世代に引き継いで、積み重ねで今後も前に進めていくことが必要になると思う」と語った。

 県公文書館は4年前から約60万ページの米軍作戦報告書を公開。各市町村史の研究にも活用されている。仲本さんは報告書の米軍の部隊日報に記されている地図の番号を、米軍が作成した沖縄の2万5千分の1の「グリッド・マップ」と組み合わせて読み解くことで、どの場所で起きたことなのか、詳細を割り出すことができる最新の技法も紹介した。