沖縄県宜野湾市の住宅街に米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイからステンレス製の水筒が落下した事故を受け、過去に落下事故が起きた学校や保育園の関係者などは「私たちの命があまりにも軽んじられている」と怒りや悔しさを募らせ、普天間飛行場の閉鎖撤去を求める声も上がった。
2017年、普天間飛行場所属の米軍ヘリから部品落下事故が起きた緑ヶ丘保育園の神谷武宏園長は「状況が改善されていない。私たちの命があまりにも軽んじられている。心が痛み、苦しいし、悲しい」と悔しさをにじませた。今回の落下現場と保育園は数百メートル程度しか離れていない。神谷園長は「基地あるがゆえの事件事故が繰り返される。普天間飛行場を閉鎖し、撤去してほしい」と語った。
17年には飛行場に隣接する普天間第二小学校グラウンドにも普天間所属の米軍ヘリから窓枠が落下した。同小元PTA会長の徳村篤志さん(46)は水筒落下について「けが人が出ていないのは不幸中の幸いだが、兵士への指導など再発防止策を講じてほしい」と求めた。
長男が普天間第二小、長女が緑ヶ丘保育園に通う大城博美さん(36)=宜野湾市=は「またかと思った。すぐに小学校と保育園への落下事故を思い出して怖くなった。子どもも思い出して怖がらないか心配だ」と語る。翌日も通常通りオスプレイやヘリが飛んでいることに「今日ぐらい自粛しようと思わないのか。ばかにされている」と憤った。
同小元校長の桃原修さん(61)は落下事故が続くことに「どうしようもないんじゃない」とため息交じりに語った。
沖縄平和運動センターの岸本喬事務局長は、宮古島へのミサイル弾薬搬入や沖縄周辺空海域での日米共同演習に触れ「沖縄を戦場に見立てる演習の激化と相まって、起こるべくして起きた事故だ」と指摘した。
2004年、沖縄国際大に米軍ヘリが墜落した当時、宜野湾市長だった伊波洋一参院議員も国策として南西諸島の防衛強化を進めることを批判。国の方向性を変える必要性を訴えた。