沖縄漂着軽石の農業利用は不適 塩類濃度高く県が注意喚起


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
海岸線に積もる軽石(資料写真)

 沖縄県内各地に漂着している大量の軽石について、県農林水産部は26日、現時点では農業利用は推奨しないとの見解を示した。漂着軽石は塩類濃度が高いため、十分な除塩がなされないまま農地へ投入した場合、生育障害を引き起こす懸念があると注意喚起している。

 撤去した軽石を屋外などに野積みすると、塩類が溶け出て土壌に悪影響を及ぼす可能性があるとして、農地や農地周辺での野積みも控えるよう求めた。

 県が複数箇所から採取した軽石の成分分析などを実施したところ、サンプルから高い塩分濃度が検出された。酸性度を示す水素イオン指数(pH(ペーハー))はアルカリ性を示したが、海水に由来するのか鉱物組成由来なのか現時点で分かっていないため、pH改善を目的とした利用についても注意が必要とした。

 県は農業利用にあたって、鉱物組成の分析や除塩方法の検討、投入による土壌や作物への影響を観察するなど中長期的な検証が必要だとした。崎原盛光農林水産部長は「関係機関や団体と連携を図りながら軽石の利活用について検討していく」とコメントした。