【深掘り】「辺野古反対すがすがしく」立民新代表に泉氏 オール沖縄など期待


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埋め立て工事が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸=11月25日午後、名護市辺野古(大城直也撮影)

 立憲民主党は30日、新代表に泉健太氏を選出した。代表選では「野党共闘」の在り方も問われたが、新代表の下でも「オール沖縄」体制には影響はないとの見方が大勢を占める。名護市辺野古の新基地建設計画について泉氏は「中止すべき」と明言しており、辺野古問題の全国的な世論喚起を図りたい「オール沖縄」内には、国政の場で立民の発信強化に期待を寄せる声が広がる。

 代表選では、国政選挙での野党共闘、特に共産党との連携の在り方に焦点が当たった。泉氏は野党共闘を継続しつつ、在り方の見直しは必要だとの立場を取った。

 新基地建設反対で多くの国政野党勢力がまとまるオール沖縄体制。立民県連幹部の一人は「党として何らかの原則は示すと思うが、地域の個別事情を踏まえて判断するだろう」と同体制への影響はないと見通す。共産党県委幹部も「泉氏は『野党共闘』は必要で、辺野古中止もすべきと主張している。その部分は一致しているので今後も力を合わせていきたい」と述べた。

 「工事を止めていくべきだ」。立民県連が送付した基地問題に関する要望書に対し、泉氏は辺野古新基地計画について、こう回答した。県民投票で民意は示され、軟弱地盤などの課題もあるとし、討論会でも同様の訴えを重ねた。

 泉氏は米軍普天間飛行場の移設先を「最低でも県外」と訴え、後に辺野古に回帰させた旧民主党政権の要職に就いていない。そのため、立民県連関係者は枝野幸男前代表と異なり、辺野古反対を強く打ち出せると主張。「枝野体制はトラウマがあったのか、どこか歯切れが悪かった。泉氏にしがらみはない。党としてすがすがしく、しっかりと辺野古中止を訴えられる」と歓迎する。

 一方、別の関係者は泉氏の歴史認識や対中姿勢が不明だとして「沖縄の基地問題にどれだけ突っ込んだことをするかは分からない」と語る。今後の動向を見極める必要があるとし、「県連としては辺野古反対を訴え続けていくしかない」と強調した。

 (大嶺雅俊)