沖縄の県立中入試 試験当日に解答を修正 過去2年、合否には影響なし


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 沖縄県教育委員会が作成する、県立中学校の2020年度、21年度入学者の適性検査(入試問題)で、答えを一つ選択するよう求めた社会の問題で、検査中に学校から指摘を受けて正解の選択肢を増やしていたことが30日、分かった。県教委は「検査当日に解答を修正したため、当時の合否に影響はない」と本紙取材に答えた。

 県立中学の入試は、県側が問題と解答を作成する適性検査と、学校側が作成する独自検査がある(与勝緑が丘中は適性検査のみ)。適性検査は、問題と解答を県教委義務教育課で作成し、採点は各学校に一任している。

 解答が修正され、正解となる選択肢が増えたのは、両年とも県側が作成した適性検査の社会の問題。四つの選択肢から答えを一つ選ぶ形式。両年とも該当する答えが二つあると学校が指摘し、県教委はどちらを選択、または両方を選択しても正解と修正した。県教委は指摘を受けて、検査が実施されている全3校にメールまたはファクスで連絡。受験生と採点業務に混乱はなかったという。

 義務教育課によると、21年度入学の試験に関しては4人の職員で問題と解答を作り、作問に関わっていない職員で3回、確認作業をした。20年度入学の問題に関しては、30日時点で不明。例年、出題内容が漏れないように、各学校の教職員も検査当日にしか問題を見ることはできず、両年とも検査中に学校が県教委に連絡した。

 県立学校の適性検査と独自検査は情報開示請求によってしか公表されない。

 例年、受験予定者らが受験対策のために問題と解答を情報開示請求で入手しているが、30日時点で解答は未修正のままだ。県教委は「修正するのを怠っていた。今後修正する」と本紙に答えた。

(嘉数陽、名嘉一心)