米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設で、沖縄防衛局は1日、新たに造成した護岸を利用して埋め立て用土砂の陸揚げを始めた。関係者が明らかにした。これまで二つの護岸を使って土砂を工事現場に運び込んでいたが、3カ所から陸揚げすることで土砂投入を加速させる狙いがある。
県は軟弱地盤の改良工事を追加する国の設計変更を不承認とし、工事全体も止めるよう国に求めていた。防衛局は県の要求に反して工事を続けている。
新たに陸揚げに使い始めた護岸は大浦湾側で「N2」と呼ばれる。8月に着工し、11月26日に完成した。予定地にサンゴ(830群体)が生息していたが、高水温期の移植回避など県の許可条件をほごにして移植作業を強行した。
県はもともと、護岸を使って土砂を陸揚げする行為についても、当初の計画と食い違うとして中止を求めている。だが、防衛局は護岸からの土砂陸揚げを続けてきた。 (明真南斗)