安和桟橋から土砂搬出3年 「目的外使用」抗議続く 辺野古新基地建設


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辺野古埋め立て用土砂の搬出場所の1つとなっている琉球セメント桟橋のゲート前。=2日、名護市安和

 【辺野古問題取材班】名護市辺野古の新基地建設で、市安和の琉球セメント桟橋から大型ダンプなどによる埋め立て用土砂の搬出が始まってから3日で3年になる。本部町島ぐるみ会議によると、3年間で38万4438台分の土砂が安和桟橋から搬出された。3年目(20年12月~21年11月)の月別平均搬出台数は1万3840台で1年目の7251台から約1・9倍に増加した。安和桟橋の使用を巡っては、新基地建設に反対する市民らが「目的外使用」であるとして抗議を続ける。

 安和桟橋はセメント出荷などに使う桟橋として設置申請が出された。県は2016年10月に許可を出している。連日、大型車両が桟橋を頻繁に出入りし、辺野古沖に向かう輸送船などに土砂が積み込まれている。

 土砂搬出作業の監視・抗議活動をする阿波根美奈子さんは「当初は土砂以外の出荷があったが、どんどん新基地建設がメーンになっていった。搬出台数も増えていく」と憤る。

 沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは、軟弱地盤の改良工事を追加する国の設計変更を、県が不承認としたことに触れ、「知事は関連工事の中止をはっきり求めている。安和など個々で進んでいる関連工事についても行政指導などで毅然(きぜん)とした対応をしてほしい」と訴えた。2日は安和桟橋で搬出作業はなかった。 (長嶺晃太朗)