沖縄、10月の景気「下げ止まりの動き」 10カ月ぶり上方修正 りゅうぎん総研


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は29日、10月の県内景気動向を発表した。消費関連や観光関連は、新型コロナウイルス感染症の影響で悪化しているものの下げ止まりの動きがみられ、建設関連は民間工事で再開の動きがある一方、資材価格の上昇などを受け弱含んでいると分析。県内景気は「下げ止まりの動きがみられる」とし、2020年12月以来10カ月ぶりに景気判断を上方修正した。

 【消費】スーパー売上高は既存店ベースで前年同月比1.9%増と9カ月ぶりに前年を上回った。新車販売台数は生産停滞の影響で同29.3%減となった。中古自動車販売台数も価格の高騰で同8.2%減だった。

 【建設】鋼材売上高は、鉄スクラップなど原材料の需給ひっ迫で単価の上昇がみられるものの、民間工事の引き合いが弱く前年同月比1.9%減と前年を下回った。資材全体で単価が上昇し、ヒアリングでは上昇した価格が今後の標準になると見る事業者もいた。

 【観光】入域観光客数は前年同月比12.4%減。緊急事態宣言が解除されたが、感染状況の様子見や政府の旅行需要喚起策への期待などから、旅行再開に慎重な動き。主要ゴルフ場の入場者数は同5.8%増と3カ月連続で前年を上回った。
 (小波津智也)