日本商工会議所と那覇商工会議所の共催による「全国商工会議所観光振興大会2021inおきなわ那覇」が6日、開幕した。新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みてオンライン開催となった。7日までの日程で「経済再生~観光産業の変革と創造~」をテーマに、持続可能な観光の在り方や、コロナ禍で重要性が再確認された観光危機管理などの課題を検証する。全国の商工会関係者700人が参加する。
6日は「地方観光の底力」をテーマに、四つの分科会が那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開かれ、その様子がオンライン配信された。
観光危機管理に関する分科会では、災害や感染症など想定外の事態への備えについて話し合った。観光危機管理に特化したコンサルティング業、サンダーバード(那覇市)の翁長由佳代表は、沖縄観光は過去にも県外や海外で起こった有事によって影響を受けてきたと指摘し、「危機に対して安全・安心な観光地であることが持続的な発展には不可欠だ」と話した。
沖縄は全国に先駆けて観光危機管理モデル事業に取り組み、2015年に観光危機管理基本計画、16年には実行計画を策定した。しかし県の調査によると、新型コロナウイルス対策に際して県や地域の観光危機管理計画を参考に行動したと回答した市町村は、全体の7・3%にとどまった。
翁長氏は「県や市町村は定期的に人事異動があり、人や地域への蓄積が難しい部分がある。マニュアルを作ることがゴールにならないように、定期的な訓練や人材育成、見直しを続けることが重要だ」と話した。
(当銘千絵、沖田有吾)