「カンボジアに教育を」コロナ禍で支援伸びず…ボランティアの学生が資金を募集


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カンボジアの子どもたちの教育支援をする資金を募っている「国際協力学生ボランティアズSPLEA」琉球大支部のメンバー=11月30日、西原町の同大

 琉球大学を含む全国12の大学が提携して活動している「国際協力学生ボランティアズSPLEA」の学生たちが12月末日まで、カンボジアの子どもたちの学びを支援する資金をクラウドファンディングで募っている。12月中旬をめどに文房具や生活必需品などの物資支援を目指しているが、新型コロナウイルス感染症による不安のためか、学生メンバーが減少し、支援額も伸び悩んでいる。11月30日、琉球大支部のメンバーらが「世界中の子どもたちの笑顔を守りたい」と支援への協力を呼び掛けた。

 団体は2012年に設立され、琉球大支部は18年に発足した。当初はカンボジアでのスポーツ振興などに取り組んだ。活動していく中で、学校に通うことができない子どもたちにも学びの場を確保したいと考え、現在は「全ての子どもたちに行き届く教育」を目指している。
物資の支援だけではなく、子どもと地域の人たちが憩える場所「KIBOUKAN」の建設も予定している。支援先は団体設立時から交流を続けているカンボジアのオドメンチェイ州チョンカル村。クラウドファンディングの目標金額は200万円。一口2千円から支援購入できる。

 本年度の団体代表を務める琉球大教育学部4年の大城秋桜(さくら)さん(22)によると、新型コロナの影響で去年から現地視察ができなくなっている。日本でも行動制限が続くなど感染不安が拡大したためか、「団体のメンバーは約半数まで減った。琉大支部だけでも3分の1程度になった。支援の輪が広がりづらい状況だ」と嘆く。

 琉球大支部の支部長を務める江藤伊織さん(20)は19年12月、琉大支部のメンバーではただ一人、カンボジアに10日間滞在した。「貧困が残っている地域と都心では、子どもたちの服装や体格にはっきりと差があった。なんとかしたいと、焦るような気持ちだ。少しでも多くの支援をしたい」と訴えた。

団体はインスタグラムで活動内容などを発信している。インスタグラムはこちら、クラウドファンディングのサイトはこちらからアクセスできる。(嘉数陽)