沖縄の人口、半数の20市町村で減少 那覇市は20年ぶり減 20年国勢調査


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 5年に一度の国勢調査の確定値で、2020年は沖縄県内41市町村のうち、約半数に当たる20市町村で、前回調査時(15年)と比べて人口が減少したことが9日、明らかとなった。人口が減少した市町村数は前回調査時よりも3自治体増加した。那覇市は周辺市町村への流出があったとみられ、15年比0・6%(1810人)減の31万7625人となり、2000年調査以来、20年ぶりの減少となった。

 20年確定値によると、県全体の人口は15年比2・4%(3万3914人)増の146万7480人。県全体の人口は増加傾向が続いているが、本島北部地域や、離島などで減少する傾向がみられた。下落幅が最も大きかったのは渡名喜村で同19・5%(84人)減の430人だった。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、30年代には人口減少社会に突入する見込みで、人口が減少する市町村数は今後も増える可能性が出ている。

 那覇市の人口が減少したのに対し、ベッドタウンとして近年、住宅建設が進む近隣の南風原町や八重瀬町などの人口は増えている。那覇市から周辺市町村に人口が流出する「ドーナツ化」現象が起きているとみられる。

 人口が減少したのは那覇市と国頭村、東村、今帰仁村、本部町、金武町、伊江村、嘉手納町、北谷町、渡嘉敷村、粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村、伊平屋村、伊是名村、久米島町、多良間村、竹富町、与那国町―だった。

 (梅田正覚)