エビ養殖場の再開不承認 大宜味村「住民理解得られず」 


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国内で初めて急性肝膵臓壊死症(AHPND)の発生が確認されたバナメイエビの養殖場で、作業に当たる県や養殖場の職員ら=2020年10月、大宜味村

 【大宜味】昨年10月に大宜味村内のバナメイエビ養殖場で、甲殻類の感染症「急性肝膵臓壊死(すいぞうえし)症(AHPND)」が国内で初めて発生した問題で、村は10日、業者が提出していた養殖事業再開の申請を不承認にすると決定した。

 村は今年3月に、事業承認を取り消した。養殖場を運営する業者は、AHPNDの発生を受けて県が出した「まん延防止措置命令」が解除されたことを踏まえ、8月になって事業再開を村に申請していた。

 業者などは再開に向けた住民説明会を複数回にわたって開いてきたが、住民からは再開に反対する声や村の対応を批判する声が相次いでいた。

 養殖再開を不承認としたことについて、宮城功光村長は琉球新報の取材に「地域住民の皆さんの理解が得られていない」との見解を示した。

 一方、業者側は「不承認の通知を確認し、関係者と今後対応を検討したい」とした。
 (長嶺晃太朗)