「おきなわ工芸の杜」指定管理者の県案に異議 伝統工芸団体が陳情提出「運営に生産者関与を」


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沖縄県庁

 県商工労働部は13日までに、豊見城城址公園跡地に建設中の伝統工芸産業振興拠点「おきなわ工芸の杜(もり)」について、沖縄TLO(西原町)と沖縄ダイケン(那覇市)で構成する共同企業体「おきなわ工芸の杜共同企業体」を、施設の指定管理者に選定することを県議会に提案した。開会中の11月定例会で可決されれば、2022年4月から施設が開業する。

 一方、県伝統工芸団体協議会(金城陽一会長)からは、伝統工芸の当事者である生産者団体が運営を担えるよう求める陳情が県議会に提出されている。

 同協議会は、指定管理者の選考などに関わる県の組織に、国指定の伝統工芸品である染物、織物、陶器、漆器、三線の各生産者を代表する委員が含まれていないなどとして、県の手続きに反発している。

 指定管理者の指定に関する議案を審議した13日の県議会経済労働委員会で、県は指定管理者の公募に2団体の応募があったと説明した。

 利用者サービスや収益性、自主事業などで具体的な提案があったことなど総合的な判断から、「おきなわ工芸の杜共同企業体」に決まったと選考経過を説明した。

 県伝統工芸団体協議会から提出されている陳情への対応を巡っては、県として今後、適切な指定管理ができているかをモニタリングする際に生産者団体から意見を聞いていくほか、意見交換の機会を作ると説明した。
 (中村優希)