〈87〉健康意識を高めよう 生活習慣整え定期健診を


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 もし、一生で使えるクルマが1台だけとしたら、みなさんならどうしますか? 沖縄県はクルマ社会です。一生で使えるクルマが1台しかなければ、定期的にメンテナンスを行い、無理な使い方もしないでしょう。

 そのクルマを私たちのからだと置き換えてみてください。私たちのからだは一つだけです。もし、その一つしかないからだを粗末に使っている人をみたらどう思うでしょうか? 「タバコを吸って、晩酌もしているけど病気したことないよ」とおっしゃる方もいます。本当にそうでしょうか?

 「人生100年時代」が到来するといわれています。また「長生きのリスク」という言葉も耳にするようになっています。本来、長寿は喜ばしいことです。しかし、長生きすると生活費、医療・介護費が多く必要になります。みなさんならどうしますか? 貯金も大切ですが、私がお伝えしたいのは、自分のからだを定期的にメンテナンスして、大切にしてほしいということです。

 病気は大変苦しいものです。私の外来を受診された方から「早く検診にいっておけばよかった」「タバコやお酒をやめて、食事にも気を付けていればよかった」との声をよく耳にします。

 沖縄でもがんや血管の病気がとても多く、ほとんどが生活習慣と深く関係しています。ぜひ、生活習慣を整え、定期健診を受けてほしいと思います。簡単なことでかまわないので、すぐにできることをはじめてみませんか? 次の健診はいつ? 身近な医療機関はどこ?と調べてみるのもいいでしょう。

 ご自身の健康のことだけではなく、ひとりひとりが健康意識をもって行動することで、社会全体がよくなると思います。みなさんが行動すれば、周りの人たちも影響され、社会全体で健康長寿を目指せると思います。

 自分のからだに向き合ってみることで、家族、友人、子どもたちなど、愛する人たちみんなが健康で楽しく充実した人生を送れるようになれば素晴らしいと思いませんか?

(金城達也、琉球大学病院 外科)