第32軍壕坑道の模型を展示 「保存求める会」が沖縄県庁で28日まで


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第32軍司令部壕の坑道について説明を聞く見学者=13日、県庁

 「第32軍司令部壕の保存・公開を求める会」(瀬名波栄喜会長)は13日、県庁1階ロビーで日本軍第32軍司令部壕の坑道の全体模型の展示を始めた。模型は実物の約100分の1の大きさで、1級建築士の福村俊治さんが製作した。展示は今月28日まで。

 福村さんは昨年、那覇市の首里城周辺と地下の壕の模型を製作。今回新たに、米軍の情報報告書と県が1993~94年度に実施した試掘調査報告書などを基に、坑道の全体が分かる模型を製作した。

 県は沖縄戦体験者の要請を受け、今年1月に第32軍司令部壕保存・公開検討委員会を発足。学術と技術の専門家らでつくる委員会で検討する。会は、模型の展示で保存・公開への機運を一層盛り上げたい狙いだ。

 展示初日の13日は、県庁を訪れた多くの人が足を止め、模型に見入っていた。

 岐阜県東近江市から訪れた村田信夫さん(77)は「首里城の地下に、こういう坑道があるのは知らなかった。絶対残さないといけないね。戦争を反省する材料にしないといけない」と話した。会の前城直美事務局次長は「多くの人に見に来てほしい」と呼び掛けた。