「涙」テーマの琉歌 大賞に長嶺うめ子さん、戦死した兄や母の無念詠む


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(左から)長嶺うめ子さん、新垣莉里さん

 【恩納】第31回琉歌大賞(主催・同実行委員会、共催・恩納村、村商工会、琉球新報社)の最終審査がこのほど開かれ、一般の部大賞に恩納村の長嶺うめ子さん(82)の作品「思(うみ)兄(しじゃ)ゆ偲(しぬ)で 礎(いしじ)前(め)に行きば たちゆる面影(うむかじ)や 涙(なだ)にくむて」が選ばれた。

 児童生徒の部ではうんな中1年の新垣莉里さん(13)の「辺野古海埋めて 変わりゆく景色 消えてゆく海に 涙流す」が大賞に輝いた。

 沖縄戦で戦死した2人の兄らをしのび、毎年平和の礎に足を運ぶ長嶺さん。礎の前で兄や、息子を失った母の無念に思いをはせて詠んだ。「『涙』のテーマを知り約20年ぶりに詠んだ。これを機に日常の思いを少しずつ詠みたい」と喜んだ。

 新垣さんは「沖縄の海を守っていきたい」という願いを込めたという。「自分の思いだけで書いた作品。大賞と聞いて驚いた」と話した。一般は112人(272首)、児童生徒で430人(514首)の応募があった。表彰式は2022年2月13日に恩納村ふれあい体験学習センターで開かれる。 (岩切美穂)

 その他の受賞者は次の通り。(敬称略)

 【一般の部】

▽優秀賞 大城和子(今帰仁村)宮城里子(名護市)

▽奨励賞 山崎美枝子(糸満市)與儀勇(那覇市)あさと愛子(同)古波蔵弘(うるま市)長嶺八重子(読谷村)石川貞子(宜野湾市)久高友隆(那覇市)喜瀬普二男(ボリビア)秋吉宏美(那覇市)知念初美(同)

▽入選 宮本あきみ(京都市)宮城寛(宜野湾市)東江克行(同)金城美代子(うるま市)比嘉恒夫(豊見城市)玉城善勝(八重瀬町)伊藝峯子(恩納村)当山弘子(同)古堅宗明(読谷村)外間啓子(那覇市)

▽特別賞 津波松夫(南城市)仲村好子(宜野湾市)仲田榮松(那覇市)糸満盛男(国頭村)宮平とよ子(宜野湾市)

 【児童生徒の部】

▽優秀賞 ソリマン・ホザエファ(恩納小5年)嘉手苅緒(山田小6年)東瑞姫、新里琉美、棚原華鈴、丹羽羚榎、山内柚乃(うんな中1年)上原りりか、石川友音(同3年)

▽入賞 外間杏浬(喜瀬武原小1年)日高羚菜(同2年)田邉丈、平良琉偉(仲泊小4年)安富祖穂(山田小5年)島袋莉子(同)比嘉音七(仲泊小5年)糸満百花、瀬良垣りあん、當山蒼、村岡志乃(恩納小5年)桑畑海夏太、阪口良翔、玉城梓恵菜(山田小6年)宮城菜那花(仲泊小6年)金城そらの、大原璃乙、喜屋武真奈実、金城麗璃、仲本瑠留、東野文姫(うんな中1年)宇江城孝太、大嶺摩莉愛(同2年)宮平周、比嘉悠太、名嘉眞慧、横尾勇太、大嶺梨々花、湯浅肇葉、宮平琉聖(同3年)