「人生の最期」話し合おう 在宅医療や「ACP」紹介 那覇市医師会が上映会とお話会


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ACPや在宅医療について話す曙クリニックの玉井修院長(左)=1日、那覇市医師会

 人生の最期まで、どのような医療やケアを受けたいか、事前に家族や医師らと話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」や在宅医療について知ってもらおうと、那覇市医師会が1日、在宅医療に取り組む若手医師を描いた映画「ピア まちをつなぐもの」の上映会を同会で開いた。

 ACP普及のため、厚生労働省が定めた11月30日の「人生会議の日」にちなんだもの。同市で在宅医療に取り組む医師や看護師、管理栄養士らが参加し、現場での役割などを説明するお話会も開催された。

 ACPはどのようにして最期まで自分らしく生きていくか、何を大切にしたいかなど、自分自身の価値観や希望を家族など周囲の人と話し合う。たとえ本人が意思表示ができなくなっても、本人が話していたことを基に、提供する医療や介護の方法を周囲が考えることができる。

 在宅医療は通院が困難な状況だったり、住み慣れた自宅で療養することを希望したりする人に対して提供する。医師や歯科医師、ケアマネジャー、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士など多職種が連携し、患者の自宅や住宅型有料老人ホームなどの居宅系施設を訪れて診察などをする。本人の希望を基にサービスを考えることから、ACPは在宅医療の前提ともなる。

 在宅医療に取り組む曙クリニックの玉井修院長は「症状が軽いうちから本人や家族が外部とつながり、希望や性格を共有して関係を築くことで、その時々の状況に応じたよりよい医療や介護を提供できる。介護は家族で抱え込んでしまうことが多いが、連携できるサービスはいろいろなものがあることを知ってもらいたい」と話した。
 (嶋岡すみれ)