辺野古サンゴ、観察地点の追加なし 沖縄県の要請応じず 防衛局「現状で適切」


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沖縄防衛局(資料写真)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を進める沖縄防衛局は24日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で識者を集めた「環境監視等委員会」(中村由行委員長)を開いた。県がサンゴ類への影響をより正確に把握するために観察地点を追加するよう求めていたところ、防衛局は現状で適切だとして追加しない考えを示した。これに委員会からの指導・助言はなかった。

 ジュゴンの生息調査では、引き続きジュゴンの姿や食べ跡、鳴き声は確認されなかった。委員から提案されていたドローンを使った調査についても具体的に検討していると報告した。

 防衛局は移植したサンゴ類の観察状況も報告した。希少なオキナワハマサンゴ9群体のうち、5群体が死滅・消失しており、残り4群体となっているがいずれも部分死や白化が確認されている。

 一方、移植先の海域にもともと生息していたオキナワハマサンゴ1群体も比較のために観察していたところ死滅した。防衛局担当者は報道陣への説明会で、死滅の理由を「不明」とする一方、「工事の影響とは考えていない」と述べた。防衛局は、7、8月から始めている小型サンゴ類の移植について、前回委員会に引き続き「経過は順調」と強調した。

 (明真南斗)