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劇場版「銀河鉄道999」に衝撃、アニメ制作の道へ 島袋美由紀さん(アニメーター)


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島袋 美由紀さん

 1本の映画との出合いがその後に歩む道の決め手となった。中学1年生で見た劇場版アニメ「銀河鉄道999」に衝撃を受けた。「どうやって作っているのだろう」。その日は、そのことで頭の中がいっぱいになった。アニメ制作の道に進み、30年以上のキャリアになる。「星のカービィ」のキャラクターデザインや「ハクション大魔王」「ちびまる子ちゃん」の作画監督を務めるなど、手掛けた作品は数え切れない。

 高校卒業後、沖縄にあったアニメーションの仕上げを請け負う会社に就職した。1年半、セル画に色を塗る作業に携わった。その後、研修のために上京し、20歳でアニメ制作会社「スタジオ・ザイン」に移籍した。

 アニメーターの仕事は大変だった。100回以上の駄目出しを受けたこともあった。休みの日も、描くことに明け暮れた。「やらないと後悔が残ると思い飛び込んだ。3年で、この仕事で生活できるようにならなければ、辞めると親と約束した」と当時を振り返る。

 1991年のテレビアニメーション「ウルトラマンキッズ 母をたずねて3000万光年」の第4話で、作画監督としてデビューした。2001年から03年まで、テレビアニメ「星のカービィ」でキャラクターデザインを担当した。ゲームのキャラクターに動きを付ける作業や、ゲームにないキャラクターを生み出す作業は難しかったが、楽しんだ。2年半で100話。当時の記憶がないくらい忙しかった。

 作画監督は、アニメ制作の作画工程の全体を統括する重要な役割を担う。「自分が作ったものが形になって、それを人が楽しむ姿を見ると、苦労も吹っ飛ぶ。しんどい仕事だが、充実している」と目を輝かせた。
 (問山栄恵、写真も)


 しまぶくろ・みゆき 1966年生まれ、那覇市出身。豊見城高校卒業後、県内に支社があるアニメーション制作会社に入社後、「スタジオ・ザイン」に移籍。「ウルトラマンカンパニー」「少年アシベGO!GO!ゴマちゃん」など多くのテレビアニメや劇場版アニメ、ゲームなどに作画監督、キャラクターデザインなどで携わる。東京パラリンピック開催に伴いNHKで放送されたアニメ「アニ×パラ あなたのヒーローは誰ですか」も手掛けた。