16日告示、23日投開票の名護市長選は、県と国が鋭く対立する米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題の現場として、市政を誰が担うのかに全国からも高い注目が集まる。2期目を目指す現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=と、新人で市議の岸本洋平氏(49)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=の予定候補者2氏を推薦する県内各政党・団体に、市長選の位置付けや取り組み状況などを聞く。(’22名護市長選取材班)
自民党県連 中川京貴会長 市民生活を豊かに
―選挙の位置付けは。
「選挙イヤー最初の選挙で同日の南城市と共に落とせない選挙だ。この選挙を勝ち抜いてその後の首長選や参院選、知事選につなげたい」
―争点は何か。
「名護の今後の中長期ビジョン、そして新型コロナウイルス禍の経済的にも厳しい環境の中、市民生活を豊かにできるのは誰かが問われている」
―辺野古移設の争点について考え方は。
「辺野古移設は普天間飛行場の危険性除去が原点。その代替地として辺野古があり、党としても容認している。沖縄では基地問題は避けて通れないがそれ以外にも課題は山積している」
―渡具知氏に推薦を決めた理由は。
「子ども医療費無償化などの市民との約束を守り政策を実現してきた。政府にも直接要請できる。未来への政策を掲げ、その財源も確保して実行できる」
―選挙にどう臨むか。
「コロナの影響で4年前のような党本部の支援は難しい。地元や県連が一丸となり、未来に向けた渡具知ビジョンを浸透させたい」
―最も訴えるのは。
「元の穏やかな市民生活を取り戻すためには豊富な政治経験のある渡具知氏しかいない」
共産党県委 鶴渕賢次委員長代理 新基地建設認めず
―選挙の位置付けは。
「参院選や統一地方選、そして天王山の知事選を控える。いろいろな角度で見て沖縄、日本の命運がかかった選挙だ」
―争点は何か。
「最大の争点は辺野古新基地問題だ。国の言いなりではなく市民の暮らしや福祉を最優先にする市政を作るかや、オール沖縄を発展させるかどうかも問われる。県民投票では名護市でも73%がノーの審判を下している。軟弱地盤もあり実現可能性もない。世論や行動を通じ辺野古ストップの輪を広げ、最終的には政治決着のために辺野古を認めない政府を作るのが決定打になる」
―岸本氏に推薦を決めた理由は。
「辺野古新基地建設で反対の立場を貫き、父で元市長の建男氏をはじめとした先人の意志を引き継ぐ決意がある。基地以外にも、夢が持てる将来展望がある」
―選挙にどう臨むか。
「オール沖縄が今までにない協力、共闘態勢を築けている。その中で市民が自由に考え、選択できる選挙戦をしたい」
―最も訴えるのは。
「基地は100年200年残るが、再編交付金はいずれなくなる。市民には子どもや孫の世代を考え、勇気ある決断をしてほしい」