「なぜ信号機ないの?」中学生の声聞き検討会、県警や村長も出席 大宜味・塩屋のコンビニ前


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信号機設置の基準などについて話す県警職員の説明に聞き入る大宜味中学校の生徒ら=大宜味村の大宜味中学校

 【大宜味】大宜味中学校でこのほど、学校近くの国道58号の交差点の信号機設置に関する検討会が開かれた。見通しが良く、通行車両の速度が出やすい大宜味村塩屋のコンビニエンスストア前の交差点を巡っては「大宜味村子ども議会」で横断に不安を感じるとして、信号機設置を求める声が上がっていた。

 県警は生徒らに交通量や事故件数の少なさから設置基準を満たしていないことを説明した一方、白線が消えかかった横断歩道の塗り直しや速度を軽減させるためのカラー舗装などの代替案を示した。

 7日に村が開催した「ローソン塩屋店交差点に関する検討会」には宮城村長のほか、名護署や県警本部交通指導課の担当者が出席した。

信号機設置の要望がある大宜味中学校近くの交差点=大宜味村塩屋

 信号機は設置基準があり、車の通過台数、事故多発地帯など所轄の警察署が総合的に判断する。必要と判断された場合、県警本部に上申し、県警本部が設置を検討する。最終的に公安委員会の決済を受けて設置される。1基当たりの設置費用は平均で600万円程度だという。

 県警の担当者は(1)ピーク時でも横断する人は1時間に2人程度と少ない(2)1年以内に2件以上の交通事故があることが設置条件の一つだが、当該の交差点は3年さかのぼって1件しかない―などの調査結果を示し「全県的に信号機設置の要望はかなりある。直ちに設置する必要があるのかはこれからの検討課題だ」と述べた。

 説明を聞いた大宜味中3年の宮城心美さんは「最初はなぜ信号機が設置できないか疑問だったが、説明を聞いていろいろな方法で安全性を高められることがあることが分かった」と話した。
 (松堂秀樹)