沖縄コロナ1週間で1万5000人超予測 前週の倍 県疫学委が報告(1月12日朝)


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 沖縄県は11日、新型コロナウイルスに新たに775人が感染したと発表した。感染動向を分析する県疫学統計・解析委員会は同日、10日からの1週間の新規感染者数は1万5千人以上を見込むと報告した。前週(3~9日)の7308人からさらに倍増を意味する。オミクロン株の症状は現時点では重症化せず、「若者にとってはインフルエンザに近い」とした一方、重症化リスクが高い高齢者などに感染が拡大すれば「医療逼迫(ひっぱく)となる可能性がある」と懸念を示した。

 直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数は529・52人となり、過去最多を更新。米軍関係では新たに386人が報告された。基地別の詳細は県に伝えられていない。

 県立中部病院の整形外科病棟で合計7人が感染するクラスターが発生した。内訳は患者4人、職員3人で、重症者はいない。7日に職員から感染者が出た。感染者数はさらに増える可能性がある。

 疫学委が宮古・八重山で1日以降に感染した714人の症状を確認したところ、息切れや肺炎所見などの中等症Iは17人、酸素投与や呼吸不全がある中等症Ⅱは7人。重症者はいなかった。

 40歳未満では酸素投与を要した人はおらず、80歳未満の97・9%が無症状、または軽症だった。一方、80歳以上の38・5%が酸素投与を要する状態で、高齢者では症状が重くなる傾向が出た。

 中等症以上となった80歳以上の9人のうち、8人はワクチンを2回接種済みで、1人は1回接種だった。

 委員会は県内の1日の検査能力は2万6千件で、陽性率が10%であったとしても「1週間に2万人弱の(陽性)診断が限界」と述べ、検査は限界に近いとの認識を示し、市販の抗原検査キットの活用などを求めた。(知念征尚)