沖縄初「CO2排出量ゼロ」ホテルに パームロイヤルNAHAが全館バイオマス発電


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バイオマス発電に切り替えたホテルパームロイヤルNAHAの高倉直久総支配人(左)と、電力を供給する沖縄ガスニューパワーの西村伸太郎営業部課長=11日、那覇市牧志の同ホテル

 ホテルパームロイヤルNAHAは1日から、ホテル全館の電力を動植物由来の資源から発電するバイオマス発電に切り替えた。沖縄ガスニューパワーが供給する「美ら島CO2ゼロプラン」に切り替え、二酸化炭素(CO2)の排出量が実質ゼロになる。同ホテルの調べでは、100%バイオマス発電にするのは県内ホテルでは初めて。

 同ホテルによると、従来だと1室1泊あたり12キロのCO2を排出していたが、実質ゼロになる。2021年のCO2排出量は286トンで、客室稼働が高かったコロナ流行前の19年以前はさらに多かった。沖縄美ら海水族館(本部町)約17個分の広さのスギの木が1年で吸収する量に匹敵する。

 欧米諸国では、環境に配慮したホテルを支持する客もいて、そうした志向の高い客層の獲得にもつなげたい考えだ。今後宿泊客に対して、CO2削減に寄与したことを証明する証書を贈呈することも予定する。

 発電する中城バイオマス発電所は昨年7月から稼働が始まり、ヤシの実の殻を燃やして発電している。

 ホテルの高倉直久総支配人は「お客様参加型の環境に配慮したCO2ゼロホテルを目指す」と今後の抱負を語った。
 (中村優希)