沖縄の景気「持ち直しの動き弱まる」 海邦総研10~12月


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 海邦総研(新崎勝彦社長)は13日、2021年10~12月期の沖縄県内景気動向調査の結果を発表した。前期(7~9月)と比較した企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)はプラス12・7で、20年10~12月期以来4期ぶりにプラスに転じた。緊急事態宣言が解除され、観光や飲食サービス業で需要が上昇したことを反映した。

 一方で、調査の回答後に新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が県内で急拡大していることから、県内景気について「緩やかに回復しているものの、持ち直しの動きは弱まっている」と判断した。

 調査は県内に本社のある企業を対象に12月1~24日に実施。402社から回答を得た。

 業種別では、緊急事態宣言が解除され県民の消費マインドが回復したことから飲食サービス業でプラス57・9となり、前回調査から99・1ポイント改善した。需要が回復したものの原材料などの仕入れ価格はプラス84・2と高騰しており、販売価格に転嫁できていない部分もあり利益が圧迫されている。

 観光関連の旅行・宿泊業は、年末などの予約が回復しプラス44・1となった。海邦総研の担当者は、コロナ禍で減少した人員やレンタカーの車両数の不足が深刻化しているとして「受け入れ体制の再構築が課題になる」と指摘する。

 全体的に好調な中で、建設業のBSIはマイナス9・6、不動産業等はマイナス15・6となった。建設業では全体の工事が減少する中、一部で激しい価格競争が生じている。

 雇用BSIは、28・6で「不足気味」超となっている。飲食サービス業、医療・福祉、建設業、旅行・宿泊業で「不足気味」超幅が拡大した。

(沖田有吾)