1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
1972年1月15日の琉球新報1面トップは、米施政化で設立された琉球銀行について「琉銀、株式会社へ移行/株主総会で承認/民政府株二月末に放出」との見出しで報じている。
日本本土で専売事業となっていたタバコと塩の製造などの企業についての補償に関する記事を、「企業 従業員に特別交付金/一体化で転廃業のタバコ、製塩、通関業」/本土政府 近く補償額を決定」との見出しで伝えている。
酒気帯び運転で小学男児をひき逃げして死亡させた容疑で米兵が裁かれた軍事裁判の判決が出た記事も大きく報じられた。判決は、酒気帯び運転、過失致死、ひき逃げの3つの罪状で、懲役11月の実刑判決となったことを伝えている。
【きょうの紙面】
2面(政行)公務員身分保障に明るい見通し
3面(経済)共同石油、原油貯蔵基地申請へ
4面(外電)ガーナ、新執行部を発表
6面(家庭)成人の日に寄せて
7面(スポーツ)金剛勝ちっ放し
9面(地方)地主が子供たちに遊び場を提供=コザ
10面(二社)成人式を迎える若者たち
11面(社会)〝これで浮かばれます〟
12面(ラテ)番組紹介
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琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。