漂着の軽石、農業利用に光 脱塩前でもレタス育つ 美ら島財団、赤土と混ぜ実験


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 【本部】沖縄美ら島財団(本部町)は18日、小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる漂着軽石を用いてリーフレタスの栽培試験を実施した結果、赤土(国頭マージ)単体と、軽石を50%すき込んだ赤土で栽培できる収量にほとんど変化がなかったと発表した。沖縄美ら島財団は「軽石を農業用資材として利活用できる可能性が示された」としている。

軽石の混合割合と脱塩の有無がリーフレタスの生育に及ぼす影響。定植後28日目、上段は脱塩、下段は非脱塩(沖縄美ら島財団提供)

 試験は同財団の総合研究センターで2021年11月29日~12月27日に実施した。赤土に軽石を異なる混合割合(50%、25%)ですき込み、リーフレタスの苗を定植し、収量などを調査した。軽石は脱塩せずそのままの状態のものと、流水に48時間さらして脱塩したものの2種類を使用した。

 その結果、赤土に軽石を混合した場合でも、赤土単体とほとんど変わらない収量が得られた。脱塩の有無は収量にほとんど影響がなかった。

 沖縄美ら島財団は「軽石に赤土を混合してリーフレタスの栽培に利用でき、鉢物での園芸利用に活用できることが分かった」としている。同財団は今後、透水性の改善や土壌の軽量化といった軽石の利点を生かした調査のほか、ジャーガルや島尻マージといった県内の主要な土壌への適用を継続調査していく予定だ。
 (松堂秀樹)