沖縄都市モノレール、100億円減資し「中小企業化」 コロナ禍で財務改善を図る


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臨時株主総会後、記者会見に臨む渡慶次道俊社長(左)と上原国定常務=19日、那覇市のサンパレス球陽館

 沖縄都市モノレール(ゆいレール、渡慶次道俊社長)は19日、臨時株主総会を那覇市のサンパレス球陽館で開いた。資本金を107億2千万円から1億円へと減資することを提案し、満場一致で決議された。3月7日付で効力が発生する予定。無償減資により資本金を1億円に圧縮することで中小企業の扱いとなり、税法上の各種優遇措置を受けられるようになる。長期化する新型コロナウイルス感染症の影響で財務状況が悪化しているため、財務体質の改善を図る。

 資本準備金の31億4250万円の全額も、その他資本剰余金に振り替えた。資本金と資本準備金の減少により増加するその他資本剰余金137億6250万円の全額は、累積赤字の補填に充てる。累積赤字は138億9千万円から2800万円に大幅に圧縮される。持ち株数や持ち株比率には変動はない。税法上中小企業の扱いとなるが、監査法人による監査などは継続するとしている。

 渡慶次社長は、人件費やダイヤ減便による動力の削減などコスト削減に取り組んできたが、2021年度も乗客数は19年度のピーク時に比べ大幅に落ち込んだことから、新たな資本政策による財務体質の改善が不可欠だと判断したと説明。「マイナス分を早期に圧縮し、安全運行が続けられるようあらゆる努力をしたい」と理解を求めた。

 総会では、町田優監査役の辞任に伴い、県信用保証協会会長の岩井健一氏を新たな社外監査役とする人事も承認した。
 (当銘千絵、写真も)