逸品のスープ、注文は三線で 沖縄そば すぅ~ぎぃ~じぃ(那覇市)<うちなー味まーい43>


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そばとマグロ漬け丼ぶりのセット。マグロは毎朝、泊いゆまちで仕入れる。1180円

 那覇市泊の崇元寺公園近くにある「沖縄そば すぅ~ぎぃ~じぃ」は、琉球古典音楽の演奏家でもある店主の崎濱秀貴さん(40)が、こだわりのそばを提供する。「沖縄の文化である三線にも触れてほしい」と、呼び鈴ではなく三線を鳴らして注文する。

 崎濱さんが沖縄そばに目覚めたのは県立芸術大の学生時代だ。大学近くの「首里そば」で食べた沖縄そばに衝撃を受け、「自分でも作ってみたい」と思った。卒業後、居酒屋などで経験を積み、2016年に「すぅ~ぎぃ~じぃ」を開いた。店名は崇元寺のうちなーぐちの読み方から付けた。

 自家製の麺は3日間寝かせることで風味や甘みを増している。透き通ったスープは豚肉のゆで汁やかつお節などで作った逸品だ。後からスープにわさびを入れる食べ方を勧めている。清涼感が出るためだという。新感覚のやんばるトゥイ(鶏)そばも人気だ。

 崎濱さんは「料理は食べる人、三線は聴く人のことを考えながらやるところが共通している。お客さんに『おいしい』と言われると、舞台で拍手をもらっているみたい」と笑う。コロナ禍で飲食業は厳しい状況だが、「行き詰まった時に『かぎやで風節』を弾くと自分に帰れる」という。将来の夢は「沖縄そばでミシュランガイドに載る」こと。穏やかな語り口の中に熱い思いをのぞかせた。

 営業時間は平日午前11時~午後5時、土日祝日は午前11時半~午後5時、売り切れ次第終了。火曜定休。問い合わせは(電話)098(863)8553。

(伊佐尚記)

(右から)店主の崎濱秀貴さん、接客を担当する妻の絵理さん、従業員の神谷悠雅さん=19日、那覇市の「すぅ~ぎぃ~じぃ」