辺野古移設、渡具知氏が「地元中の地元」で語った胸の内<明暗…名護・南城市長選>


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支持者らとグータッチする渡具知武豊氏=16日、名護市辺野古

 名護市長選が告示された16日午前、現職の渡具知武豊氏(60)の姿が辺野古区の集落内にあった。

 「地元中の地元の皆さんは色んな意見がある中で歯を食いしばり、一つ一つの意見をまとめ対応してきた。20年の強い思い、辺野古区をもっと発展させたい気持ちを忘れるわけにはいかない」

 4年前の市長選と同様、米軍普天間飛行場の辺野古移設について賛否を明言しなかった渡具知氏。街頭でも基地問題に触れることはほとんどなかったが、その例外が初日に駆け付けた「地元中の地元」だった。

 その訴えに、集まった約30人の辺野古区民らは「そうだ」と拍手で応えた。

 数時間後、辺野古を訪れた新人の岸本洋平氏(49)。「新たな基地はいらない」と移設反対を呼び掛けたが、駆け付けた地元の支援者は数人のみ。盛り上がりは渡具知氏と対照的で、20年以上移設問題に振り回される市民の“辺野古離れ”を映し出すようだった。

 新基地建設が進む東海岸側に暮らすある市民は今回、渡具知氏に票を入れた。「あれだけ工事が進むと止められない。そうであれば『迷惑料』を受け取るのは当然ではないか」と口にした。
 (’22名護市長選取材班)


 名護、南城両市長選でいずれも政権が支援する候補者が「オール沖縄」勢候補者を破った。選挙戦の舞台裏と今後の影響を追う。


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