普天間飛行場を抱える宜野湾、住民は名護市長選挙の結果をどう見たか?基地負担に「複雑な思い」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍普天間飛行場

 【宜野湾】宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設先である名護市の市長を決める選挙で、渡具知武豊氏が再選した。選挙結果を受け宜野湾市民から賛否両論の声が上がっている。普天間飛行場の危険性除去が進むことへの期待と、基地負担が名護市辺野古に及ぶとして複雑な思いが交錯している。

 辺野古移設反対の「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議・ぎのわん」の安次嶺美代子共同代表(75)は「残念だ」と話す。「米軍再編交付金など、基地に異論を唱えないなら交付する政府のやり方は罪深い」と批判した。

 辺野古移設容認の「宜野湾市民の安全な生活を守る会」の平安座唯雄会長(76)は「良かった」と評価。「辺野古移設は日米両政府で合意し、着々と進んでいる。既に決着した問題で、選挙の争点ではない」と強調した。

 「米軍普天間基地騒音被害第2次訴訟原告団」の山城廣司副団長(81)は「危険性除去を早く」と渡具知さん当選を喜ぶ。「渡具知さんは辺野古移設に積極的でないが、流れに乗ってやっていくしかない。あとは国の役目だ」と指摘した。

 市真志喜のまちづくり団体「にぬふぁぶし」の仲間あずみ代表(48)は「名護市長は誰がなっても対話などを大事にしてほしい」と求める。普天間飛行場は「早く返還を」と願うも、名護市の基地負担に「複雑な思い」を寄せた。
 (宮城隆尋、金良孝矢)