沖縄県、大型MICE施設の展示場を縮小へ 当初計画の3分の1に


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 与那原町と西原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区に建設する、企業の報奨旅行や国際会議などを開催する大型MICE(マイス)施設について、県が主要施設となる展示場面積を、従来計画の3分の1となる1万平方メートルに縮小する方針を固めたことが8日までに分かった。これら変更点を大型MICE施設と周辺整備の基本計画案に盛り込み、10日に関係市町村の首長を集めて説明する。関係者によると玉城デニー知事が今月中旬にも詳細を発表する。

 2020年度に実施した整備に関する調査結果を踏まえ、採算性などを考慮した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、大人数が集まるMICE施設の需要が世界的に変化していることも影響しているという。

 県の担当者は「常時3万平方メートル規模の催事が実施されるわけではないので、縮小することで効率運営ができる。(展示場の1万平方メートルは)民間事業者が参入、運用しやすい規模だ」と話し、縮小のメリットを強調する。今後MICEの需要が伸びた場合は、施設の拡張も視野に入れる。

 建設予定地は14万5千平方メートルで、展示場のほか多目的ホールや会議室、ホワイエ、立体駐車場を整備する。同時に周辺のホテル誘致も進める。予定地の規模は変わらない。基本計画案を発表後、22年度にパブリックコメント(意見公募)を実施し、基本計画を策定する。

 県は計画当初、展示場は1~2万平方メートルを予定していたが、経済界の要請を受けて3万平方メートルに拡張した経緯がある。 (中村優希)