会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・玻名城泰山琉球新報社長)の2月例会が9日、那覇市のダブルツリーbyヒルトン那覇首里城で開かれた。産業廃棄物処理業・石坂産業の石坂知子専務取締役が「見せる経営とインナー・ブランディングによる組織風土の変革」と題しオンラインで講演した。
1999年、会社に近い埼玉県所沢市で「農作物からダイオキシンが検出」と民放テレビ局が報じた。誤報だったものの風評被害が広がり、地元農家から訴訟を起こされ経営危機に直面した。
「地元の反対があっては事業ができない」と、主力のごみ焼却事業から撤退し、産廃リサイクル事業に力を入れた。
社内改革にも取り組み、環境や労働安全衛生などの国際規格を取得した。当初は社員の理解が得られなかったが、次第に新しいことに挑む企業風土に変わっていった。
ボトムアップ式で社員の意見を吸い上げるため、年に2回経営陣と面談する場を設け、管理職などリーダー層の研修も実施している。「社員に決めさせるのは時間がかかりトップダウンの方が早いが、それでは真の行動にならない。社員が挑戦する場をつくることが重要だ」と話し、取り組みの意義を強調した。
(中村優希)