ナンポー、ライブ配信で商品販売 3時間で売り上げ30万円 新販路を模索


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
ライブ配信で自社商品を売るナンポーの安里睦子社長(右)=1月14日

 菓子製造・販売のナンポー(那覇市、安里睦子社長)は、コロナ禍で観光土産品の売り上げが落ち込む中、新たな販路開拓を模索している。他社が作った商品を卸す問屋機能は廃止して自社商品の製造・販売のみに切り替え、ファン獲得に取り組んでいる。

 商品販売ができるライブ配信アプリ「ピースユーライブ」で物産品などを販売する、安慶名力さんのチャンネル「りき丸商店」に安里社長自ら出演し、菓子セット販売に取り組む。1月に配信した3時間のライブは約千人が視聴した。配信中リアルタイムで購入できる仕組みで約30万円を売り上げた。終了後も問い合わせがありプロモーション効果が大きいという。

 コロナ禍で売り先がなく賞味期限が短くなった商品などをまとめて格安で出品する。購入者にとってはお得感があり、会社にとっては余剰在庫の解消につながっている。安里社長は「店舗で考えた場合、3時間で千人は集客できない。コロナ禍で生活様式が変わり、これからお土産の買い方も変わっていく」と話す。

 ライブ配信は安里社長の雑談や視聴者から寄せられる質問などに応える内容で、明るい人柄が伝わりやすくファン獲得にもつながっている。

那覇空港に設置したナンポー「スノーラグーンアイスクリーム」の自動販売機(提供)

 1日からは、同社初のアイスクリームの自動販売機を那覇空港に設置した。ドラゴンフルーツや塩パインなど県産果物味を中心としたカップアイス9種類を販売する。アイスは那覇空港際内連結ターミナル内の直営店スノーラグーンアイスクリームで取り扱っているが、19年3月の開業から1年ほどで休業に追い込まれ、販売機会を失っていた。今後は販売機の台数を増やしていく考え。

 具志堅全友専務は「何が正解か分からないが、新しい売り方に挑戦していきたい」と話した。
 (中村優希)