私のSDGs 島尻教育研究所所長・大城讓次<未来へいっぽにほ>


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大城讓次(島尻教育研究所所長)

 「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すSDGsについて、県の取り組み状況をホームページで知ることができる。またSDGsの全目標の実現に寄与するとして、持続可能な社会の創り手を育む教育(ESD)が重要視され、各学校や幼稚園などで工夫を凝らしている。当方の研究員も、新型コロナ下での混乱に負けず、教科と関連づけた授業の実践に取り組んだ。研究員だけではない。SDGsの理念に立った目標実現に向けて取り組んでいる子どもたちや先生方、企業や団体など、全ての方々にエールを送りたい。

 廃棄物最終処分場の視察研修会でのこと。ごみ焼却後の残渣(ざんさ)は埋め立て前に循環型処理水を使用して洗浄する。可燃物とそれ以外を手作業で分別するなど、科学の英知と関係者の努力により、環境保全が行われていることを知った。われわれが捨てたごみの行方や環境汚染を防ぐ仕組み、プラスチックごみ増加による処理水への影響など、現場から学ぶことの重要性を再認識した。

 最近は普段の生活から、SDGsを意識し行動することを心掛けている。自転車通勤、消費期限間近の商品購入、料理は残さず、残ったら作り置きと称して消費。野菜などの切りくずを土にして活用、等々。またユニセフ募金に加え、子どもが着古したシャツを「お上がり」と呼んで着けたりしている。

 しかし売れ残り食品の様子や、プラスチック製品に囲まれた生活、さらに道端のポイ捨ての現状などから、理念の実現が容易でないことも痛感している。私たちの社会生活の中には、SDGs実現に向けた課題が無数にある。

 学校だけでなく、われわれも子どもたちとともに学び、一人一人が当事者意識を持って実践し続けることが求められている。