「推し」の本を堂々紹介 小松さん(小禄)が全国優勝 高校ビブリオバトル


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第8回全国高等学校ビブリオバトル決勝大会で優勝した小禄高校の小松美幸さん=9日、那覇市の小禄高校

 小禄高校3年の小松美幸さん(18)がこのほど、第8回全国高等学校ビブリオバトル決勝大会(活字文化推進会議主催)で優勝した。ビブリオバトルは参加者が本を紹介し、一番読みたくなる本を決める。小松さんは「夏と花火と私の死体」(乙一著)を紹介した。

 小松さんは同作を「殺された主人公が自分の死体の行方をつづるホラー作品」と説明する。「とにかく怖く、衝撃的なラストを迎える」と魅力を挙げた。

 校内のポスターを見て大会について知り、好きな本を紹介するだけでなく、他の参加者の一押し本を知りたいと参加を決意した。全国大会では「斜め上からの難しい質問が多かった」と振り返る。発表者に対して参加者は質問することができる。「殺した人と、殺された人、どちらになりたいか」という問いが一番印象的だったと振り返った。

 自ら本を読むようになったのは高校に通うようになった後。浦添市からのバス通学で、車内の時間を有効活用しようと始めた習慣だという。「簡潔に話すことが苦手だった」ことから、読書後の感想や意見を日記にまとめるようになった。「日頃から続けてきたことが結果につながったと思う」と語る。大会では堂々としたたたずまいで作品を紹介し、見事に優勝を勝ち取った。

 春からは大学へ進学する。「大きな図書館があると聞いている。いろいろな本との出合いが楽しみ」と笑顔を見せる。一方で、人と話すことも好きだと語り「社会科の先生になることが目標だ。勉強も頑張りたい」と将来を見据えた。
 (名嘉一心)