【石垣】27日投開票の石垣市長選は、新人で前市議の砥板(といた)芳行さん(52)、現職の中山義隆さん(54)=自民、公明推薦=の2人が立候補を届け出て、7日間の選挙戦が幕を開けた。3期12年の実績を前面に引き続きの支持を呼び掛ける中山さんに対し、市政刷新を訴える砥板さんは保革共闘の一体感を打ち出している。新型コロナウイルス感染対策で選挙運動にも難しさがある中で、両候補者は支持拡大に向けて走りだした。
石垣市真栄里の選挙事務所前で開かれた砥板芳行さんの出発式。小雨が降る中、赤いはちまき姿で演台に上った砥板さんが「市民のための市政に変える」と訴えると、駆け付けた支持者は拳を突き上げて応えた。
あいさつに立った知念辰憲後援会長は現市政を「独善的だ」と批判し、砥板さんの公約について「市民の声を聞き一緒につくった。必ず実現させるため最後まで力を貸してほしい」と訴えた。
革新支持層だけで市政転換は難しいと判断して、現市政に批判的な保守勢力と共闘を組む形で砥板さんの擁立に至った。選対本部長を務める次呂久成崇県議は「対立を超えて信頼関係を築いた」と保革の一体感を強調。「互いを信じ、新しい石垣市をつくろう」と気勢を上げた。
出発式を終えた砥板さんは、選挙戦の合言葉にしている「チェンジ市政」の声援が沸き起こる中、選挙カーに乗り込み遊説へと繰り出した。 (佐野真慈、写真も)