【那覇】那覇市は1月28日、空き家対策を推進する協定を各専門家団体と締結した。市によると、空き家に関する行政と関係団体の協定締結は県内で初めて。管理不全の空き家がもたらす多くの問題に対応するため、官民が連携する。
那覇市と協定を結んだのは沖縄弁護士会、県司法書士会、県行政書士会、県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会県本部、県解体工事業協会。市は空き家の所有者などから寄せられた相談について、各団体に対応を依頼する。相談内容は相続や管理、利活用、紛争解決などを想定している。
市内では2016年度の調査で473件の空き家があると推定された。17年4月に関連条例を施行し、同年度末に「市空き家等対策計画」を策定した。計画に基づき、所有者に対し特措法に基づく助言・指導をしている。これまで市に寄せられた空き家などに関する苦情・相談件数426件のうち239件(約56%)が改善している。
協定締結式で城間幹子市長は「所有者や行政だけでは解決が困難な場合がある。官民連携でチームを組めるのは心強い」と述べた。県解体工事業協会の赤嶺太介会長は「空き家になると周辺の環境に影響する。貢献できるように頑張りたい」と話した。
(伊佐尚記)