1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
1972年2月21日の琉球新報1面トップは、米大統領の訪中の関連で「ニクソン・周きょう握手/戦後世界史に一大転機」と大きく見出しが躍っている。さらにそのそばには「蒋総統、引退の意向表明」との見出しで台湾の蒋介石総統の進退にも触れている。
日本国内の情勢として「決断迫られる首相/空転国会 最後のヤマ場に」との記事は、自衛隊の戦力を定める第4次防衛力整備計画とその内容を先取りした形の予算案をめぐって混乱が続く国会の状況を伝えている。
さらに連合赤軍のメンバーが人質をとって立てこもったあさま山荘事件も「長期戦の様相強まる/山荘には一週間以上の食料/軽井沢」との見出しで掲載している。
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琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。