彩発見、GoToイート…まん延防止解除でも需要喚起策の再開遠く 経済界「遅い」不満


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 沖縄に適用されていたまん延防止等重点措置が21日から解除となり、時短営業を要請されていた飲食店に関する制限も解除された。一方、措置に伴い1月9日から一時停止となっている、観光や飲食といった需要喚起策の再開のめどはついていない。観光や経済の関係者からは、「あまりにも遅すぎる」と県への不満の声が上がっている。

 沖縄観光の主要市場である東京都や大阪府では重点措置が続いており、その間の県内旅行喚起が、観光回復へ重要となっている。

 県内旅行喚起策「おきなわ彩発見キャンペーン」は、国の地域観光支援の補助金を活用しており、感染状況の警戒レベルが2以下となることが事業実施の条件となる。

 ただ、沖縄の警戒レベルは一段階上のレベル3Aにとどまる。事業は2022年度以降も予算を繰り越し期間延長する予定だが、再開のめどは立っていない。判断基準については経済界から疑問の声が上がっている。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「現在のレベルを元に議論するのは現実的ではない。一定の注意喚起を元に条件付きでも再開しないと観光業界は厳しい」と話し、知事の政治判断を要望する。

 観光体験、施設の利用代金を補助する「おきなわ体験最大50%オフキャンペーン」は県の判断で再開が可能だが、まだ議論ができていない。予算2億6千万円のうち半額を超える1億9千万円が未執行のままだ。

 飲食業支援策「Go To イートキャンペーン」は28日ごろまで感染状況を確認し、専門家らの意見を聞き再開を検討する。事務局によると、食事券利用は28日までの予定だったが事業停止期間分は延長する予定。

 県内での食事券販売額は、予算総額60億円に対して22億9千万円にとどまっている。那覇市の飲食店経営者は「再開は、感染が沈静化して制限がなくなってからでいいと思う」と語った。

 貸切バス事業者などを支援する「おきなわ彩発見バスツアー」は、予算は残るものの完全に中止となった。昨年11月から1月14日までを予定していたが、措置適用後の9日に中止となっている。

 本島北部の観光施設経営者は「措置期間は支援がない中で耐えてきた。本来は解除と同時に再開すべきではないか」と憤った。 (中村優希まとめ)