琉球銀行(川上康頭取)は21日、三井住友海上火災保険(舩曵真一郎社長)と東京海上日動火災保険(広瀬伸一社長)と、それぞれ「ESG金融・SDGsの推進に関する包括連携協定」を締結した。同日、那覇市の琉球銀行本店で調印式が行われた。琉銀と取引のある中小企業などに対して、両保険会社のノウハウを活用してSDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素、健康経営などの経営支援に取り組む。
連携事項は、環境や社会課題、企業統治に配慮する企業を重視して投資するESG金融の促進や、企業の成長戦略に関することなど全9項目からなる。
具体的な活動内容は今後詰めるが、県内の中小企業などを対象にSDGsの啓発セミナーを開いたり、災害に対応した事業継続計画(BCP)の作成を支援したりする方針。いずれも5月から支援事業を本格始動する。
また、両社は琉銀の取引企業がESG金融やSDGsに取り組む際の問題点や対応法について、チェックシートやヒアリングシートを用いて診断する。結果をリポートにまとめ、各社の取り組み状況や課題を可視化した上で、課題解決に向けた対応や対策を提案する。
川上頭取は「どこからSDGsに取り組んでいいか分からないという中小企業は多い」と指摘。保険会社と銀行の知的・人的資源を有効活用することで「各社の経営支援だけでなく、地域社会や環境の持続的な発展にもつなげたい」と述べた。
(当銘千絵、写真も)