ピンク色で、いじめNO 開邦中生が意思表示 特設授業で議論


社会
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ピンク色のものを身に着け、いじめ反対への取り組みを行う生徒たち=25日、南風原町の開邦中(大城直也撮影)

 開邦中学校は25日、全校生徒238人がピンク色のTシャツや小物を身に着けていじめ反対の意思を示す「開邦ピンクシャツデー」を実施した。カナダで始まったいじめ反対の運動で、2月最終水曜日の「ピンクシャツデー」にちなんだ取り組み。生徒たちはピンクシャツに「いじめは絶対に許さない」などの撲滅宣言を書き込み、渡り廊下に掲示した。

 みんなで連帯して意思を表すことでいじめをなくそうという試みで、昨年に続いて生徒会が企画。「いじめ」と「いじり」の違いなどについて説明する動画を制作し、生徒会メンバーが2人1組になって全クラスに入り、動画を用いて特設授業を行った。

 生徒会長の高橋琉斗さん(14)と宮城昌宗さん(13)が授業した1年1組では、「された側が嫌だと思ったらそれはいじめだ」「故意にやっているかいないかが問題」などと意見を出し合って対話を深めた。

 その上で「いじりを使うなら分別を持って使う」「相手がいじりをやめないなら不快だと言う」との生徒会からのメッセージを共有。自分たちなりの“いじめ撲滅宣言”をピンクシャツに書き込んだ。

 1年生の野村澄礼(すみれ)さん(13)は「『いじりをいじめに変えない。それが開邦中生』をグループの宣言にした」と説明。3年の玉城碧乃(あおの)さん(15)は「いじりがいじめに発展しないよう意識しなくてはいけない」と授業の感想を語った。

 動画を制作した副会長の玉城蒼さん(14)は「いじりは使い方を間違えたら人を傷つける。包丁のように慎重に扱わないといけない。これからもいじめの問題をみんなで考えていきたい」と語った。この日は、学校側も生徒会の活動をサポートするためピンク色のマスクを用意して全校生徒に配布した。 (新垣梨沙)