1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
1972年2月26日の琉球新報1面トップは、米中首脳会談の記事で「米中両国の〝壁〟取り除こう」との見出しで、中国を訪問中のニクソン米大統領と周恩来首相との会談の様子を伝えている。そで見出しには「米大統領 改善へ努力積み重ねる」「周首相 率直な意見交換は有益」との言葉が並ぶ。
連日伝えていた、自衛隊の戦力を策定する第4次防衛力整備計画(4次防)を先取りする形で組まれた新年度予算を巡る国会の混乱に関して「国会きょうから正常化/新規装備費は削除/与野党、議長あっせん受諾」との見出しで、ようやく終結となったことを伝えている。関連して「政局転換〝本番近し〟/激しさ加える総裁争い」と「ポスト佐藤」を狙った争いを報じる政局記事もそばで掲載している。
開催場所が事実上決まった沖縄海洋博覧会について、日本政府が29日の閣議で決定するのを前に「緊急財政計画練る/大規模な投資が必要」との見出しで、実施に向けた課題などをまとめた記事を掲載している。
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琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。