沖縄の猫と言えば…イリオモテヤマネコ 「先進的」と評価される保護の取り組み


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世界中で西表島にしか生息しないイリオモテヤマネコ(山城博明氏撮影)

 【竹富】2月22日はニャンニャンの語呂合わせで「猫の日」。本紙は猫の日に合わせて紙面を展開したが、沖縄では忘れてはいけない固有の“ネコ”がいる。昨年、世界自然遺産に登録された竹富町西表島に生息するイリオモテヤマネコだ。町では、イリオモテヤマネコを保護するための取り組みが進められている。

 イリオモテヤマネコを感染症から保護するため、町は2001年、猫の飼養に関する条例を制定した。条例は改定を経ながら継続。特に西表島では、飼い猫全てへのマイクロチップ装着や感染症に関する検査などの義務が定められている。避妊去勢手術も受けさせなければならない。

 条例には罰則規定もある。例えば、条例で指定された感染症の猫を西表島に持ち込むと過料に処せられる。

 県内の獣医師からはこうした町の取り組みを評価する声が上がる。西表島内に拠点を置く動物病院「どうぶつたちの病院 西表」を運営するNPO法人「どうぶつたちの病院 沖縄」の長嶺隆理事長は「飼い猫を管理することで、ヤマネコへの感染症を防ぐことにつながる。全国で最も飼い猫の管理が進んでいるのが西表島だと思う」と語る。

 町の担当者は条例の効果について「西表島で保護される所有者不明の猫は減少傾向だ。町民にも西表への猫の持ち込みに関するルールがあるということは伝わっているはずだ」と話している。
 (西銘研志郎)