【深掘り】菅前首相も説得…それでも佐喜真氏は出馬固辞 自民の参院候補者選考の今後は?


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佐喜真淳氏(資料写真)

 参院選沖縄選挙区の自民党の候補者選考で、党本部が参院選擁立に向けて働き掛けていた佐喜真淳氏(57)が自民党県連の意向確認に対し、あくまで県知事選への再出馬を見据えていることを正式に伝えた。参院選の選考議論は振り出しに戻り、県連が期限とする3月13日の党大会までに間に合うのかは見通せない状況となった。県連執行部は次の役員会が開かれる3月6日にかけて、各支部から推挙された複数の人物と詰めの調整を進める構えだ。

 次期知事選に意欲を示していた佐喜真氏を参院選に擁立する案は、党本部主導で調整が進んでいた。党関係者によると、県内に影響力のある菅義偉前首相のほか、現役の党中枢も佐喜真氏に参院選への出馬を促していた。県連も中川京貴会長が佐喜真氏と直接面談したほか、「さまざまなチャンネル」(県連関係者)で佐喜真氏が参院選に回る可能性があるのかを模索していた。

 ただ、佐喜真氏は22日に開いた支援者の会合で知事選への出馬に意欲を示していたといい、県連の意向確認に対しても参院選出馬を固辞する考えを正式に伝えた。26日の自民党県連の役員会後、琉球新報の取材にも佐喜真氏は「(本紙に知事選への意欲を示した)昨年12月の段階と気持ちは変わらない」と語った。

 自民党県連による参院選候補の選考対象には、佐喜真氏のほか、県議や民間の関係者など複数の名前が挙がっている。ただ、選挙まで半年を切る中で、擁立を受け入れるのかは不透明な部分が残る。さらに、参院選の候補者選考が難航する状況が続けば、最大の政治決戦となる秋の知事選に向けて、玉城デニー知事の対抗馬選びも停滞することになる。

 県連幹部は「知事選と参院選がセットで決まるのが理想だったが、時間もあまりない」として、当面は参院選の選考に注力する考えを示した。

 (池田哲平、大嶺雅俊)