【動画】首里城の赤を再現、バクテリア由来の顔料「久志間切弁柄」の試験開始


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 首里城の再建で正殿内外を彩る朱色の漆塗装の上塗りに、沖縄県名護市久志で取れるバクテリア由来の赤色顔料「久志間切弁柄(くしまぎりべんがら)」を使う試験が1日、始まった。天然由来の弁柄を建造物の塗装に使う例は、近年では全国的にもないという。塗料の研究をしてきた沖縄美ら島財団琉球文化財研究室の幸喜淳室長は「よそにはない琉球の赤を見せたい」と語った。

久志間切弁柄の塗料を塗り込む作業をする職人ら=1日、那覇市首里大中町の中城御殿跡(ジャン松元撮影)

 試験は劣化状況や耐候性、艶の出方などの分析が目的だ。現在、塗装改修が行われている漏刻門(ろうこくもん)の板戸や霧除板(きりよけいた)20カ所で、久志間切弁柄による上塗りを行う。

 平成の復元で使用した工業製品の顔料と比較する。3月中に設置を終え、4月から一般の人も見られるようになる予定だ。

 顔料は久志地域の小川で採取した水中のバクテリアが産出した酸化鉄を主成分としたものだ。地元では「カイミジ」として存在が知られていた。

 正殿などの塗り直しには約43キログラムの顔料が必要で、量産化も検討課題となる。沖縄総合事務局首里城復元整備推進室の松田一晃建設監督官は「職人や久志地域の協力を得ながら復元に取り組む」と強調した。 (知念征尚)