社会を変える仲間たちへ 平良亮太(多様性ファシリテーター)<未来へいっぽにほ>


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 ゲイであることをオープンにして良かったことが二つある。一つ目は「私も悩んでいたけれど話を聞いて勇気をもらいました」という言葉をいただく瞬間だ。私自身も、学生時代に講義でトランスジェンターのゲスト講師の話を聞いて勇気をもらった一人だった。

 これまでたくさんの当事者が声を上げ、差別や偏見と闘ってきたからこそ、性の多様性は人権であるという認識が広まった。先人たちへ感謝しつつ、私自身も活動を続けている。一人じゃない、おかしくなんてない、今のままで十分大丈夫。そんなメッセージを悩んでいる当事者に届けるために。

 良かったことの二つ目は「私も当事者でこういうことをしています」という人と出会えた時だ。ここ数カ月で出会ったのは、LGBTQ+のインフルエンサープロデュース事業を起業した人、同性カップルへ向けた子育て支援をこれから始めようとしている人、沖縄でレインボーパレードを開催したいという人、最近カミングアウトをしてこれから何か活動を始めたいと思っている人。皆自分の体験や経験を元に、マイノリティーの課題解決のためにチャレンジし始めた人たちだ。

 LGBTQが抱える困難はたくさんある。学校、会社、老後の生活、ライフステージが変わるたびに課題に直面する。全ての課題を一つの団体、一人の活動家が解決することはできない。しかし、分野は違えど同じテーマに取り組む仲間がいることは心強い。

 新しい挑戦には不安がつきものだ。自身がマイノリティーであればさらに不安になることも多いだろう。だが、チャレンジしている仲間がいると分かれば勇気をもらえるかもしれない。2022年、私自身もチャレンジを続けていく年にしたい。仲間たちと出会い、私自身も勇気をもらった。