「おっさんの掟」が組織をダメに…谷口真由美さん、那覇で出版記念トーク


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「『おっさん』は年齢や性別にとらわれず、若い人や女性にもいる」と話す谷口真由美さん(左)。聞き手は琉球新報社広告事業局の島洋子次長(右) =5日、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 琉球新報コラム「日曜の風」元執筆者で法学者の谷口真由美さんの著書「おっさんの掟『大阪のおばちゃん』が見た日本ラグビー協会『失敗の本質』」(小学館新書)の出版を記念して5日、那覇市のジュンク堂書店那覇店でトークイベント(協力・琉球新報社)が開かれた。

 「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」―。2021年2月、東京五輪・パラ五輪組織委員会の森喜朗元会長の発言で、谷口さんは「わきまえない女」として注目を集めた。

 19年から2年間日本ラグビーフットボール協会の理事を務めた谷口さん。森氏と理事会を共にしたことも、会議時間が倍になったこともなかった。

 理事会では、谷口さんの知らないところで物事が決まることもあった。会議で経緯を尋ねても「おっさん」は説明せず、それ以上尋ねると感情的になっていると見られた。

 谷口さんは「変化を嫌う『おっさん』が組織を駄目にする」「多様性がないところに変化は起きない」と指摘。社会を変えるには組織に女性や若者など、多様な人材が最低でも3割は必要だと強調した。会場では時折、谷口さんの言葉にうなずく人も見られた。 (比嘉璃子)