沖縄の保育施設で休園相次ぐ 園児マスク徹底難しく


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 新型コロナ対策で実施された「まん延防止等重点措置」が解除された2月21日以降も、県内で保育施設の休園が相次いでいる。那覇市によると21~27日の1週間の休園数(一部休園含む)は平均16園で、前週の12園から増加した。園児にマスク着用の徹底が難しいなど、保育施設ならではの課題がある。

 那覇市によると休園数は2月7~13日は平均11園、14~20日は12園、21~27は16園と増加が続く。

 その一因が園児の感染者増加だ。園児や保育士を含む感染者は、21日からの1週間は128人で、前週の48人から3倍近くに急増。128人中、園児が100人を占めた。感染経路は園内園児が最も多いという。

 社会福祉法人立保育園那覇市園長会の金城佑佐(ゆうすけ)会長は「小学校のように机を離したりマスクでの対策が難しい」と話す。園児はマスクをさわったり、園内を走り回ったりしてずれることが多い。

 厚生労働省が自治体あてに出した事務連絡は、2歳未満に対してはマスク着用は「勧められない」とした。着用を無理強いせず、体調に配慮することを求めた。

 朝夕の時間帯は異年齢の児童を一緒に預かる「合同保育」がほとんどで、感染者が出ると濃厚接触者が複数のクラスにまたがる。

 那覇市の担当者は重点措置解除に伴う登園児数の増加や、県全体の感染者数増など複合的な要因が、園児の感染増につながっているとみる。「1日も早く保護者が安心して仕事に復帰できる環境を整えたいとの思いがあるが、受け入れを再開してもまた陽性者が出て、再び休まなければいけない事例も出ている」と、厳しい運営実態を語った。 

(知念征尚)